ステンレス(SUS)製焼結金属フィルター
ステンレスとはJISでSUS(Steel Special Use Stainless)と定義され、『耐食性』を向上させる目的で鉄を主成分としてCr(クロム)やNi(ニッケル)を含有させた合金鋼であります。鉄は通常、大気中に放置すると短期間で錆びますが鉄にCr(クロム)を含有させると腐食量は減少し、Cr(クロム)量が11-12%に達するとほとんど腐食減量がなくなり清浄な大気中では錆びの発生が抑えられます。この事から、錆び・しみ(stain)のない(-less)鋼(Steel)としてStainless Steel(ステンレス鋼)として名付けられました。一般的にはクロム含有量が11%以上の鋼をいい、主としてその組織によって、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、析出硬化系の5つに分類される。
以上の様に、ステンレス(SUS)が材料として非常に優れているのは改めて記述するまでも無いのですが、多孔質(ポーラス)焼結金属という観点からみれば融点が高く、しかもCr(クロム)を含有する事により非常に厄介な材料になるのです。さらに錆び(腐食し)にくいというのは大気中である事が前提となりますが、多孔質(ポーラス)焼結金属体 を製造するに当たっては溶融点前後まで温度を上げます。すると、高温酸化という現象が起き、非常に酸化し(錆び)やすくなるのです。従って、ステンレス(SUS)製の多孔質(ポーラス)焼結金属 を製造しようとしますと、『異形粉(イレギュラー粉)』で製造するしか方法がなかったのです。異形(イレギュラー)粉』も『球体粉』も大きさは揃わないのですが、『異形(イレギュラー)粉』は形状が個々に異なり、しかも角がある為、成形性も非常に優れています。その為加圧成形し、焼結すれば良いのですが『球体粉』であれば角がない為加圧しても形状を留めている事が出来ません。問題点はそれだけでは無く、焼結させる際にも生じます。
多孔質(ポーラス)焼結体を製造する際に加圧成形ができないとなると、型に材料を充填後、炉に投入し、焼結工程を進行させるわけですが、材質がステンレス(SUS)である為融点が非常に高く、型材自体が限られてくるのです。
しかも、前述しました通り錆び・腐食防止の為に含有しているCr(クロム)が他金属との相性が良く、離型性を著しく損ねるのです。上記のように、細かく記述すれば問題点は山のようにあり、そのたびに試行錯誤を重ね他社様とは違った焼結金属を製造できるようになりました。
SUS製焼結金属フィルターのSEM画像
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度1μm)
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度2μm)
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度5μm)
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度10μm)
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度20μm)
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度40μm)
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度60μm)
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
SUS製焼結金属フィルター(公称濾過精度100μm)
SUS製焼結金属フィルターの種類
SUS製焼結金属フィルターは下記の種類で対応可能。
粉末焼結
焼結金網
ファイバー焼結
エッチング焼結プレート(板厚より小さい孔)
焼結金属・多孔質金属専門メーカー 焼結.com
複合焼結金網(150mesh+12/64mesh)
ファイバー焼結
微小孔の加工が可能なエッチングの技術を使用し、穴位置を合わせることにより、板厚よりも小さい気孔を設計することが可能です。流路構造がストレートなので洗浄性に優れ、圧力損失も低く、強度も保持できます。
SUS製焼結金属フィルターの用途例
SUS製焼結金属フィルターの素材形状例
異形粉(イレギュラー粉)拡大図
球体粉拡大図
焼結金属・多孔質金属専門メーカー 焼結.com
焼結技術を駆使し、自由自在な形状を製作。
微小孔の加工が可能なエッチングの技術を使用し、穴位置を合わせることにより、板厚よりも小さい気孔を設計することが可能です。流路構造がストレートなので洗浄性に優れ、圧力損失も低く、強度も保持できます。
微小孔の加工が可能なエッチングの技術を使用し、穴位置を合わせることにより、板厚よりも小さい気孔を設計することが可能です。流路構造がストレートなので洗浄性に優れ、圧力損失も低く、強度も保持できます。
全面連通孔(二次加工なし)での複雑形状の多孔質焼結体
焼結部材質: SUS430L 粒径: -100/+250mesh 焼結部寸法: W:45×D:45×L:40 二次加工: なし
芳香金属〜金属から香水の香り〜
焼結金属フィルターエレメントの気孔形状拡大画像
多孔質金属の目詰まり除去
多孔質金属の機械加工後目詰まり除去処理
焼結金属フィルターエレメント
SUS球体粉を使用した焼結金属の焼結部拡大図
SUS製焼結金属フィルターエレメントの円柱
焼結部材質: SUS316L(球体) 気孔径: 40μ 焼結部寸法: φ54×10 二次加工: 同時焼結
SUS製焼結金属フィルターエレメントの円板
焼結部材質: SUS316L(球体) 気孔径: 20μ 寸法: φ70×2 二次加工: なし
SUS製焼結金属フィルターエレメントの円板
焼結部材質: SUS316L(球体) 気孔径: 100μ 寸法: φ60×2.5 二次加工: なし
SUS製焼結金属フィルターエレメントの円板
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 100μ 焼結部寸法: φ54×1 二次加工: なし
SUS製焼結金属フィルターエレメントの角板
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 10μ(球体) 焼結部寸法: □100×100×2t 二次加工: なし
SUS多孔質焼結金属フィルター
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 60μ 焼結部寸法: □15×15×15 二次加工: 機械加工+目詰除去
焼結金属フィルターエレメント
焼結部材質: SUS304(球体粉) 粒径: 60μ 焼結部寸法: □10×8×34L 二次加工: なし
SUS410Lを焼結処理した多孔質金属。破壊した場合においても磁石での回収が可能
SUS410Lを焼結処理した多孔質金属。破壊した場合においても磁石での回収が可能
SUS焼結金属フィルターエレメントの多孔質パイプ φ32×60L 20μ
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 20μ 焼結部寸法: φ32×60 二次加工: なし
SUS焼結金属フィルターエレメント
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 20μ 焼結部寸法: φ30×6 二次加工: Oリング溝入れ
SUS製焼結金属フィルターエレメントの同時焼結(フレームアレスター)
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 40μ 焼結部寸法: φ14×28 二次加工: 同時焼結
SUS製焼結金属フィルターエレメントの同時焼結(フレームアレスター)
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 100μ 焼結部寸法: φ33×32 二次加工: 同時焼結
SUS焼結金網の同時焼結(センサーケース)
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 60μ 焼結部寸法: φ23×32 二次加工: 同時焼結
焼結金網の同時焼結(センサーケース)
焼結部材質: 焼結金網 気孔径: 100mesh 寸法: φ14×20 二次加工: 同時焼結
SUS製焼結金属フィルターエレメントの同時焼結(センサーケース)
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 60μ 焼結部寸法: φ20×41 二次加工: 同時焼結
SUS球体粉仕様フレームアレスター
焼結部材質: SUS304(球体) 気孔径: 100μ 焼結部寸法: φ14×17 二次加工: 同時焼結
SUS粉末とリングの同時焼結フィルター
焼結部材質: SUS304 気孔径: 10μ 外径寸法: φ40×5 二次加工: 同時焼結+レーザー刻印
多孔質焼結金属センサーカバー
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 10μ 焼結部寸法: φ9×φ8×17 二次加工: 機械加工+目詰除去
多孔質焼結金属センサーカバー
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 10μ 焼結部寸法: φ9×φ8×17 二次加工: 機械加工+目詰除去
ステンレス製焼結金属フィルターエレメントのパイプ形状
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 1μ 焼結部寸法: φ11×φ7×30 二次加工: なし
ファイバー(金属繊維)焼結のプリーツ加工
ファイバー焼結にプリーツ加工を施し、表面積を増大。補強の為に金網を同時焼結した例。
ファイバー(金属繊維)焼結のプリーツ加工
ファイバー焼結にプリーツ加工を施し、表面積を増大。補強の為に金網を同時焼結、保護の為にパンチングを溶接した例。
SUS焼結体とSUS金具の全周溶接
SUSイレギュラー粉多孔質体とSUS製金具の全周溶接の一部です
焼結金属板をロール加工にて円筒状に成形し、突合せ溶接、両端に金具を溶接した製品です
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 1μ 焼結部寸法: φ25×50 二次加工: ロール加工+突合せ溶接
ステンレスの焼結金属をロール加工にて円筒状に成形し、突合せ溶接、両端に金具を溶接した製品です。
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 1μ 焼結部寸法: φ25×50 二次加工: ロール加工+突合せ溶接
ステンレスの焼結金属をロール加工にて円筒状に成形し、突合せ溶接、両端に金具を溶接した製品です
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 1μ 焼結部寸法: φ25×100 二次加工: ロール加工+突合せ溶接
SUS焼結金属フィルターエレメントのパイプ加工
焼結部材質: SUS316L 気孔径: 1μ 焼結部寸法: φ25×50 二次加工: ロール加工+突合せ溶接
SUS焼結金属フィルターエレメントの連結溶接
焼結金属と焼結金属をレーザー溶接にて連結しております.レーザー溶接ですので歪みは最小限に抑えられ,ビート幅も最小で連結できますので性能の低下も最小限に抑えた試作が可能です.
SUS焼結金属フィルターエレメントの加工(溶接)
焼結金属をレーザー溶接にて連結しております.型での製作もできず,外径が小さい為にロール加工+溶接も不可な時に考案した手法となります.φ12×20Lを10本連結した200L品です
焼結金属フィルターエレメント
焼結部材質: SUS316L 焼結部寸法: φ12.6×φ6×60 二次加工: 歯車形状
厚み5mmの焼結金網
20meshの金網を複数枚積層させ焼結処理した焼結金網
焼結金網
用途に合わせた金網をご要望の厚みでの焼結金網を製作することが可能です。
厚み2mmの焼結金網(100mesh)
100meshの金網を複数枚積層させ焼結処理した焼結金網
厚み2mmの焼結金網(50mesh)
50meshの金網を複数枚積層させ焼結処理した焼結金網
焼結金網のパイプ加工
金網材質: SUS/ステンレス 気孔径: 2μ 焼結金網部寸法: φ42×500 二次加工: ロール加工+突合せ溶接
焼結金網のパイプ形状
金網材質: SUS/ステンレス 気孔径: 2μ 焼結金網部寸法: φ42×500 二次加工: ロール加工+突合せ溶接
食品・医療界仕様(サニタリー仕様)の焼結金網フィルターも製作可能です。
焼結金網材質: SUS316L 焼結部寸法: φ25×50 二次加工: ロール加工+突合せ溶接
焼結金網をSUS管と溶接
焼結金網をSUS20A管に溶接した製品
補強ファイバー焼結断面図(平織金網を同時焼結)
補強ファイバー焼結断面図(平織金網を同時焼結)
ファイバー焼結を平織金網にて補強
ファイバー焼結を平織金網にて補強
サンプルについて
サンプルのご用意がございます。お問い合わせページより必要事項を記入の上、ご請求願います。