アルミニウム焼結金属(多孔質金属)

Al焼結多孔質金属は軽量で電気伝導性、熱伝導性に優れ、焼結体内部に流体を通過することができる

アルミニウム/Al粉末の焼結金属(多孔質金属)

アルミニウム(Al)は原子番号13の元素であります。元素記号はAl。軽銀やアルミニウムをアルミと略す事も多く、『アルミ箔』『アルミサッシ』『一円硬貨』など非常に生活に身近な金属であります。銀白色の金属で、常温常圧で良い熱伝導性・電気伝導性を持ち、加工性が良く実用金属としては軽量である為広く用いられています。熱力学的に酸化(錆び)されやすい金属ですが、空気中では表面にできた酸化膜により内部が保護されます。アルミニウム(Al)は軽くて錆びやすいイメージを持ちがちですが、前述したように全く違っていまして目にする時にはほぼ錆びていると言っても過言ではないでしょう。錆びていると言いましても、鉄などの様に赤錆びが発生するわけではないので見た目には分かりにくいですが、錆び=酸化という考え方です。酸化するという事はつまり、酸化膜を形成します。アルミニウム(Al)の場合はその酸化膜の色が素材自体の色とほぼ変わらないのです。我々、焼結メーカーにとって最も厄介なのがこの酸化膜なのです。酸化膜がある事により、焼結の初期段階である金属表面の溶融が進まないのです。しかも、アルミニウム(Al)の酸化膜は非常に強固で融点が高く、酸化アルミニウムのようなセラミックに分類されるような代物です。それほどアルミニウム(Al)製多孔質(ポーラス)焼結金属は特殊な焼結金属なのです。特に素材形状が球体では、金属を完全に溶融し化合物により発泡させて製造するスポンジ状の多孔質(ポーラス)焼結金属の様な閉鎖気孔(独立気孔)ではなく、金属製の粉(粒)体を溶融点前後の温度で焼き固め焼結させたもの(=固相焼結…物質が固体内部の拡散現象によって移動するもの)であるため、全て開気孔(連続気孔)である為、フィルター用途にもご使用頂けます。表面積が増大し、上記にも記述しましたように全て開気孔(連続気孔)である為空気(エアー)も通ります。

Al粒を焼結処理した多孔質金属
φ3mm程度のAl粒を焼結処理し多孔質金属化した製作実例
Al異形粉(イレギュラー粉)の焼結金属(多孔質金属)
アルミニウムの異形粉(金属の切粉の様な形状をした粉末)を成形し、焼結処理した多孔質金属

アルミニウム製焼結金属(多孔質金属)の用途

  • ヒートシンク
  • ラジエーター
  • 熱交換器等、放熱・吸熱の向上が求められる環境

アルミニウムの同時焼結技術を応用すれば、粉末同士は当然のことながら、粉末と板、エキスパンドメタルと板、エキスパンドメタル同士等々展開は様々である。特にSUS板とAl粉末とAl板の同時焼結は融点が800度ありながらも接合しており、実現不可能とも思えるような接合も可能としている

多孔質金属の複雑形状化

多孔質金属であるために、通常でも多い表面積をさらに増大させるために、形状を複雑化するためにフィン付形状(凸形状)にて製作。粒度と空隙率を変動することにより外観からも性能が異なる事が期待される

アルミニウム製多孔質金属凸形状
アルミニウム製多孔質金属を表面積が増大するようにフィン付(凸形状)の複雑形状を製作。さらに、粒径と空隙率を同形状にて比較

アルミニウム粉末の素材形状

アルミニウム焼結に使用する素材形状例

アルミニウム製焼結金属(多孔質金属)の製作実例

サンプルについて

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